なんて事はないフラッシュバック
今日、西日に強く照らされてる時があって手元が影になってしっかり見えなかった。
だからか、こんな事を思い出した。
バンドをやっている時に某音楽コンテストに参加して、新メンバーが加わった勢いもあってアレヨアレヨとトントン拍子にコンテストの上位に進んで行った。
そして次に演奏できる会場はZEPP東京だと知らされた。もちろん行ったことのある ライブハウスといってはおこがましい程の規模を誇る憧れの、由緒ただしき会場だ。
当時10代だったし、新しくバンドが始まったばかりだった事もあって、そりゃもうテンション上がった。まるで世界は自分達の物のようだった。
そして本番。
その前のリハで音出しした段階で、今まで楽器屋か小さなライブハウスでしか演奏した事のなかった我々はその自分達の与えられたステージのスペースに驚いた。広すぎると。
こんじゃちょっとやそっとのパフォーマンスじゃまるで存在感を示せないし、音が実際オーディエンスにどう届いてるのかも全く想像できない。
地元で甘やかされてイキっているだけの自分達の小ささを改めて思い知った。
だから決めた「じゃただただ全力で楽しもう」って。
本番が始まる。リハでナーバスになっていたのにも関わらず、楽しもうって意思を共有できたからか、ライブは本当に気持ちが良かった。自分達の鳴らす自分達の音楽がパンパンの会場にいる全員に届いてる気がしたし、これまでで一番の演奏だと思えた。世界は間違いなく自分達の物だった。
そして会場を見渡す。
するとどうだろう何も見えないのだ。
自分達に当たっているスポットライトが強烈すぎて、観客はおろか会場の全景が何も見えない。ただだだ真っ暗な景色だった。
見えるのは隣にいる同じくスポットライトに照らされた、同じく何も不安を感じていないとっても素敵な表情をしたメンバー達だけだった。
自分がスポットライトに照らされてる瞬間っていうのは周りの事なんか見えちゃいないし気にもしてない。寄り添う大事な人達の顔が見えるだけで、ただただそのあまりにも美しい掛け替えのない大切な一瞬に夢中になって全力で楽しんでいる。
そんな事を過去の愛おしい記憶と共に思い出した。
けど今でもそんな気がしてるんだ。
おっと妙に感傷に浸ってしまった!!明日から三連休だ!!